スイートピーの花の斑入り形質の発現は着色遺伝子によって劣性上位で抑制される1つの劣性遺伝子に制御される

  • 栁下 良美
    筑波大学大学院生命環境科学研究科 神奈川県農業技術センター
  • 原 靖英
    神奈川県農業技術センター
  • 中山 真義
    筑波大学大学院生命環境科学研究科 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Flower Variegation in Sweet Pea (<i>Lathyrus odoratus</i> L.) Is Regulated by a Single Recessive Gene That Is Epistatically and Recessively Suppressed by a Pigmentation Gene
  • スイートピー ノ ハナ ノ フイリ ケイシツ ノ ハツゲン ワ チャクショク イデンシ ニ ヨッテ レッセイ ジョウイ デ ヨクセイ サレル 1ツ ノ レッセイ イデンシ ニ セイギョ サレル
  • Flower Variegation in Sweet Pea (Lathyrus odoratus L.) Is Regulated by a Single Recessive Gene That Is Epistatically and Recessively Suppressed by a Pigmentation Gene

この論文をさがす

抄録

日本で施設切り花栽培に用いられる日長反応が中性のスイートピーの冬咲き性品種は,花色などの多様性がヨーロッパで利用されている長日性の夏咲き性品種に比較して小さい.我々は冬咲き性品種の多様性を拡大するために,夏咲き性品種に特有の花弁に斑の入る形質の導入を試みた.最初のステップとして斑入り形質の遺伝様式と着色性や開花習性との連鎖について検討した.斑入り花と全着色花,全白色花との交雑による後代での花弁着色の表現型の分離比から,斑入り形質は劣性の1遺伝子により制御されており,斑入りの表現型は着色性を制御する遺伝子により劣性上位で抑制されていることを明らかにした.また既存の報告と同様に,現在日本で栽培されている冬咲き性も1つの劣性遺伝子により制御されていることを明らかにした.さらに斑入り形質,着色性および開花習性は互いに独立して分離していることを示した.これらのことから,冬咲き性は表現型が発現した世代で固定が完了する一方で,斑入り形質はその自殖後代で全白色花が現れない世代で固定が完了すると考えられる.<br>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 12 (2), 125-130, 2013

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (5)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ