複合ペロブスカイト酸化物La(Ni<sub>3/4</sub>W<sub>1/4</sub>)O<sub>3</sub>およびLa(Ni<sub>3/4</sub>Mo<sub>1/4</sub>)O<sub>3</sub>の合成とその物性

書誌事項

タイトル別名
  • Synthesis and properties of complex perovskites La(Ni3/4W1/4)O3 and La(Ni3/4Mo1/4)O3.
  • 複合プロブスカイト酸化物La(Ni3/4W1/4)O3およびLa(Ni3/4Mo1/4)O3の合成とその物性〔英文〕
  • フクゴウ プロブスカイト サンカブツ La Ni3 4W1 4 O3 オヨビ

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説明

ペロブスカイト酸化物は誘電性や磁性の面において興味深い性質を示すものとして注目されてきた. B位置に磁性イオンと非磁性イオンの複合組成を持ちフェリ磁性を示すペロブスカイト酸化物は余り合成されていない. 著者らは新種の複合ペロブスカイト酸化物La(Ni3/4M6+1/4)O3(M=W, Mo) の合成を行い, Bイオンの原子配列およびそれらの電磁気的性質について検討した.<br>La(Ni3/4W1/4)O3およびLa(Ni3/4Mo1/4)O3は共に立方晶のペロブスカイト構造を持ち, 前者においてはNaCl型の秩序配列に特有な超格子反射が観察されたが, 後者においてはそれが観察されなかった. La(Ni3/4Mo1/4)O3ではNiイオンとMoイオンの原子散乱因子の差が比較的小さいためにNaCl型の秩序配列に基づく超格子反射の理論強度は殆んど零に近く, 2種類のBイオンの分布状態が秩序的であるのか無秩序的であるのかの区別はできなかった. La(Ni3/4W1/4)O3のようにB位置に (1/4B'+3/4B'') の複合組成を持つペロブスカイト酸化物が秩序格子を持つことは珍らしい例である.<br>両試料は共に半導体であり, 特にLa(Ni3/4Mo1/4)O3の比抵抗は低く, 室温で約2.5Ω・cmであった.<br>La(Ni3/4W1/4)O3はBイオンの配列状態から期待されるようにフェリ磁性を示し, そのネール点は188Kであった. 一方La(Ni3/4Mo1/4)O3も負の常磁性キュリー点を持つことから反強磁性的磁気整列が生じているが, 低温における磁気相互作用はLa(Ni3/4W1/4)O3に比べると弱かった.

収録刊行物

  • 窯業協會誌

    窯業協會誌 83 (956), 159-163, 1975

    公益社団法人 日本セラミックス協会

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