時系列解析のための年縞堆積物の特徴を検出する手法の適用 : 蒜山原層の年縞堆積物の軟X線画像を用いた例

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  • Application of a method for detecting lamina characteristics in sediments for time series analysis: an example using a soft X-ray image of varves from the Hiruzenbara Formation
  • Application of a method for detecting varve characteristics in sediments for time series analysis: an example using a soft-X ray image of varve from the Hiruzenbara Formation

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抄録

年縞堆積物は,年単位,場合によってはそれ以下の分解能をもち,高解像度の環境記録が得られることから,古くから多くの解析が行われてきた.このような解像度で情報を得るためには,一年ごとの年縞境界を認定し,年縞層厚やその中に含まれる物質の化学組成,微化石などを解析する必要がある.このような年縞境界の認定や層厚の計測は可能な限り客観的な方法が望ましい.年縞境界の認定·計測は,一般に目視や画像を利用した方法が行われる.目視による認定や測定は,人為的な誤差や境界の判定の難しさがある.一方,画像を用いた手法では,写真画像,軟X線画像,元素組成画像等を用いることができ,認定においては画像濃淡のピークをカウントする方法,しきい値を用いる方法,Wavelet解析を用いる手法等がある.しかしながら,画像を利用した方法でも特に境界の認定に関わる様々な問題が指摘されている.たとえば,しきい値を用いる方法ではどの層準でも一定の基準を用いることができないこと,Wavelet解析では分解能が十分で無いこと,ピーク等,波形処理ではノイズに弱いこと,等である.<BR>本研究では,年縞を始めとする縞状堆積物の葉理境界を認定する手法として,以下のような手順を試みた.すなわち,(1)画像濃淡の平滑化,(2)画像濃淡(たとえば明度)の最大傾斜面の認定,(3)画像濃淡の振幅の中間値の取得,(4)(2),(3)の組み合わせで境界の認定を行う,である.その結果,目視で認定した葉理境界と近い認定がなされた上,葉理内部の情報(たとえばある葉理内の軟X線透過率)も得ることができた.このようにして認定した境界を基に年縞を時系列化することで,年縞を構成する情報の年単位での変化や周波数解析等を容易に行うことができる.

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