書誌事項
- タイトル別名
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- Outcome of second/third allogeneic hematopoietic stem cell transplantations for a relapse of acute leukemia after the first transplantation
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説明
緒言: 急性白血病の同種造血幹細胞移植後再発に対する再同種移植治療は, 治癒を指向した治療法ではあるが, 移植関連合併症や移植関連死が高率であるため, 患者のQOLを著しく損なう可能性がある. 本研究では, 再移植後の早期死亡の危険因子について検討する. <br>方法: 1998年12月から2012年4月の間に, 急性白血病に対して同種移植を当院で2回以上実施した症例を後方視的に解析した. 再移植後早期死亡群(移植後60日以内死亡)と長期生存群(移植後1年以上生存)に分け, 早期死亡や生存期間に関連する因子を評価した. 生着不全例の再移植症例, 自家移植後再発症例は除外した.<br>結果: 再同種移植を受けた患者は合計18例(急性骨髄性白血病12例, 急性リンパ芽球性白血病6例)であった. 同種移植後の早期死亡は6例(33%), 長期生存は6例(33%)で, 最終的に17例が死亡した. 生存期間中央値は178日であった. 移植時の感染症の併発, 中等度または重度の肝障害と, HCT-CI高スコアが, 単変量解析で早期死亡の有意な危険因子であった. HCT-CIスコア別の生存期間は, スコア0(6例)は335日, スコア1/2(7例)は313日, スコア3以上(5例)は26日で, スコア3以上の群の生存は他の2群に比して有意に不良であった. 18例のうち3例が白血病の再再発・増悪のため3回目の同種移植を受けたが, いずれも移植後60日以内に死亡した. 2回目同種移植後早期死亡6例と3回目同種移植後早期死亡の3例では, 移植後にgrade 3以上の呼吸器・消化管・中枢神経合併症を高率に認めた.<br>考察: 急性白血病の同種造血幹細胞移植後再発に対する再同種移植では, 感染症の併発,中等度または重度肝障害, HCT-CI高スコアを有する症例は早期死亡の危険が高く, 再移植の適否について慎重な判断が必要である. 移植後の高度の患者負担を考えると, 高リスク群においてはQOLを重視した緩和治療を検討するべきである.
収録刊行物
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- Tenri Medical Bulletin
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Tenri Medical Bulletin 16 (1), 17-24, 2013
公益財団法人 天理よろづ相談所 医学研究所
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205218863104
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- NII論文ID
- 130004676041
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- ISSN
- 21872244
- 13441817
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- 本文言語コード
- en
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可