書誌事項
- タイトル別名
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- Effect of life-style education and exercise on the elderly
- Effect of life-style education and exercise on the elderly--improvement in mobility and serum lipids
- -移動能力と血清脂質への影響-
- -improvement in mobility and serum lipids-
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抄録
本研究は、在宅高齢者を対象として、2年間、年15回(3週間に1回)の間欠的な生活・運動指導による介入を行い、それが移動能力(健脚度)及び血清脂質に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。<BR>島根県吉田村在住の在宅高齢者44名(男性14名、女性30名)を対象に、年に15回(3週間に1回)の生活・運動指導を行った。開始時の平均年齢は、72.6±4.7歳(65-85歳)であった。介入方法は、健康相談、ウォーキングやストレッチング、高齢期に望ましい食事の調理実習、高齢者向けの球技などだった。これは、1995年4月から開始され、1998年3月まで続けられた。<BR>経時変化の評価として、血液検査(総コレステロール、HDLコレステロール、動脈硬化指数)を1995年6月と1997年6月に行った。体型・移動能力(健脚度)の測定を、1995年11月と1997年11月に実施した。また、生活習慣に関する質問紙調査を1997年10月に行った。これらにより、2年間の介入の成果を検討した。<BR>男性では、最大1歩幅が136%から167%と有意(p<0.01)に向上した。10m全力歩行では、有意ではないものの、2年の加齢にもかかわらず、能力が向上傾向にあった。血清脂質では、総コレステロールが189mg/dlから167mg/dl(p<0.01)へと低下した。<BR>一方、女性では、総コレステロールが224mg/dlから206mg/dl(p<0.01)に、HDLコレステロールが49.6mg/dlから53.9mg/dl(p<0.001)となった。これにより動脈硬化指数は、3.9から3.1(p<0.001)となって、血清脂質の有意な向上が認められた。健脚度では、向上はなかったものの、加齢に対して能力の低下を防ぐことができた。<BR>高齢者に対して、年に15回程度の間欠的な生活・運動指導であっても、2年間継続することにより、移動能力の低下を防ぐことができる可能性が示された。また、血清脂質においては、特に女性で有意に改善し、動脈硬化の進行を遅らせることができることが明らかになった。一連の結果から、本介入が高齢者のライフスタイルの変容に成功したことが示唆された。
収録刊行物
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- 身体教育医学研究
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身体教育医学研究 1 (1), 4-10, 2000
身体教育医学研究編集委員会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205220237824
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- NII論文ID
- 130000106436
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- NII書誌ID
- AA11466241
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- ISSN
- 18830722
- 13456962
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- NDL書誌ID
- 5608972
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可