二次発癌が疑われた小児耳下腺癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of childhood parotid cancer suspected as second malignant neoplasm

抄録

小児癌はかつて『不治の病』とされていた時代もあったが,今日では治療の進歩により5年生存率は70%を超え治癒が見込める疾患へと変貌している。その一方で治療による晩期障害として二次発癌が問題となってきている。<br>症例は8歳,女児。2歳時に神経芽腫(Stage IV)を発症し,化学療法,末梢血幹細胞移植,手術,放射線照射を施行し寛解状態を得られた。それから約6年後に右耳下腺腫瘍が出現した。右耳下腺腫瘍摘出術を施行し,術中迅速病理で炎症性変化であったが,永久病理で低悪性度粘表皮癌と診断されたため追加手術を施行した。本腫瘍は小児癌治療による晩期障害の二次発癌と考えられた。術後1年半経過したが再発を認めていない。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 42 (4), 414-417, 2016

    日本頭頸部癌学会

参考文献 (9)*注記

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