耳下腺癌における予防的頸部郭清と術後放射線治療について

書誌事項

タイトル別名
  • Indications of elective neck dissection and postoperative radiotherapy for parotid cancers

この論文をさがす

抄録

過去8年間に当科の治療方針に基づき初回根治治療を施行した耳下腺癌症例35例を対象に治療法および治療成績,とくに局所頸部制御について検討した。性別は男性22例,女性13例,年齢は5~87歳 (平均57歳),平均観察期間は30ヶ月であった。術前に悪性と診断されたのは31例で他の4例は術後病理組織診断で悪性と判明した。病理組織別には粘表皮癌が10例と最多で,悪性度分類では高悪性度のものが22例(63%)と過半数を占めた。病期別の疾患特異的3年生存率はI期3例100%,II期10例73%,III期7例100%,IVA期15例37%であり,3年局所頸部制御率はpN0 症例21例90%,pN+症例14例95%と良好な結果であった。またcN0症例で予防的頸部郭清を施行するひとつの基準であるレベルIIの術中迅速診では,レベル IIBも含めサンプリングを行う必要があるものの,耳下腺周囲リンパ節の転移を評価することで代用できる可能性があることがわかった。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 37 (1), 78-82, 2011

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

参考文献 (16)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ