腓骨皮弁による下顎再建―残存機能と再建の目的―

書誌事項

タイトル別名
  • Mandibular reconstruction with the fibula flap-Postoperative remaining function and the aim of reconstruction-
  • —Postoperative remaining function and the aim of reconstruction—
  • ―残存機能と再建の目的―

説明

機能的な下顎再建の目的は残存機能維持とインプラントなど新機能の獲得である。術後機能を予測し,再建の目的を明確にしなければならない。下顎再建症例の術後機能を評価し,それぞれに最適の再建方法を検討した。<BR>(1)腓骨皮弁で再建した症例の残存臼歯における咬合圧と食事(2)術後機能がプレート破損に及ぼす影響(3)インプラントのための腓骨骨切り位置(4)腓骨の術後吸収とそれに影響を及ぼす因子,を調査し顔貌再建のための軟部組織の重要性も言及した。<BR>腓骨皮弁で下顎を再建し6ヶ月以上経過した48例を対象とした。術後食は残存咀嚼筋量よりも残存歯量に強く影響された。患側の全咀嚼筋を切除すると咬合力は正常者の39%に減少したが,残存歯が半分程度あればほぼ通常の食事を摂取するのに必要な200N程度の咬合力が得られた。そのような症例を再建プレートと軟部組織皮弁で再建するとプレートは高い確率で破損すると思われた。下顎骨が反対側の犬歯(頤結節)まで切除されると,前方の顎堤再建のために同側犬歯部で1ヶ所の腓骨の骨切りが必要だった。反対側の頤孔が切除されると,両側犬歯部で2ヶ所の骨切りが必要だった。腓骨の年間吸収量は,咬合圧が300N以上の症例では0.2mm以下であったが,いくつかの要因が骨吸収を強めた。下顎再建において軟部組織再建は機能的,整容的に非常に有効である。腓骨皮弁では,他の皮弁の合併移植が必要であった。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 34 (3), 398-405, 2008

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (5)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205221462784
  • NII論文ID
    130004510038
  • DOI
    10.5981/jjhnc.34.398
  • ISSN
    18818382
    13495747
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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