遠隔転移を有する頭頸部癌の原発巣に対する姑息的照射

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タイトル別名
  • Palliative radiotherapy for primary lesions of head and neck cancer with uncontrolled distant metastases

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説明

2006年~2013年に頭頸部癌の原発巣に放射線治療を行った463例中,治療開始時に非制御の遠隔転移を有した10例を対象とした。年齢中央値63歳,男女比9:1,原発部位は咽頭6,鼻腔2,口腔1,唾液腺1で,組織型は扁平上皮癌5,腺様嚢胞癌3,悪性黒色腫1,腺癌1であった。遠隔転移部位は骨5(うち骨+肝1),肺5(うち肺+肝2)ですべて多発であった。原発巣に中央値60Gyの照射が行われ,3例で骨転移にも照射された。局所一次効果はCR:PR=4:6だが腺様嚢胞癌の2例で辺縁再発を認め,1年局所制御率は60%であった。1年全生存率は照射開始時のPS1~2(64%)に対しPS3(0%)で不良であった。死因は癌性髄膜炎1,癌性胸膜炎3,誤嚥性肺炎1例であった。遠隔転移例であってもPS2までで薬物療法による生存期間延長が見込まれる場合は原発巣に対する姑息的照射の適応になる可能性がある。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 40 (4), 473-478, 2014

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (8)*注記

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