中咽頭癌同時併用化学放射線療法における経皮内視鏡的胃瘻造設術の有用性

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タイトル別名
  • Effectiveness of prophylactic percutaneous endoscopic gastrostomy for oropharyngeal cancer patients undergoing concurrent chemoradiotherapy

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抄録

頭頸部癌の治療において同時併用化学放射線療法(concurrent chemoradiotherapy:CCRT)が普及してきたが,治療中に起こる高度な粘膜炎,嚥下障害に伴い経口摂取が困難となり,治療を継続する上で大きな妨げとなる。当科ではCCRT完遂率をより高めることを目的として,2007年9月より中咽頭癌に対するCCRT前に原則として経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy:PEG)を施行し,経口摂取量が低下すると胃瘻栄養を行うこととしている。その有用性を検討するためにPEG施行した15例とPEG非施行11例とを対象に,CCRTの実施状況,CCRT前後の栄養状態の変化,鎮痛剤の使用状況を比較し,またPEG合併症とPEG施行に対する患者満足度を調査した。CCRT前後の平均体重変化では両群間に差が認められなかったものの,Body Mass Indexを指標とするとPEG施行例ではCCRT終了後,深刻な体重減少を来した患者は少なかった。またCCRTが進むにつれ,PEGの必要性を感じ満足度は上昇し,CCRT完遂の助けになったと感じた患者が多かった。CCRT前のPEG施行がCCRTを完遂する上で精神的にも肉体的にも患者の助けになったと考えられる。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 35 (3), 287-292, 2009

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (8)*注記

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参考文献 (17)*注記

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