術後頸部リンパ漏に対するソマトスタチンアナログの有効性の検討

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タイトル別名
  • Somatostatin analogue treatment of cervical lymphorrhea after neck dissection

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説明

頭頸部癌領域における頸部郭清術後リンパ漏に対しては,まず保存的治療(脂肪制限食,絶飲食,局所圧迫)が試みられる。無効な場合には外科的治療(リンパ管損傷部位の同定,結紮)が選択されるが治療に難渋する症例も多い。2005年1月から2006年12月の間に難治性術後頸部リンパ漏8症例に対しソマトスタチンアナログを投与し有効性を検討した。投与量は1回100μg,1日2~3回を3~7日間とした。リンパ漏の治癒に要した期間は投与後5日間が2例,9日間が2例あり,有効症例と判断した。無効と判断した症例は4例で,うち3例は14~22日で自然軽快したが1例は2度の再手術を必要とした。一般外科領域では術後乳び胸や乳び腹水にソマトスタチンアナログが有効との報告が散見されるが,投与法や有効性の判断基準は統一されていない。頭頸部での報告は少ないが,今回の検討では半数に有効であり今後治療の選択肢の一つとなり得ると考えた。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 34 (4), 568-571, 2008

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (11)*注記

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