大唾液腺腫瘍551例の臨床病理学的検討

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タイトル別名
  • Clinicopathological study of 551 cases of major salivary gland tumors

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抄録

唾液腺腫瘍は組織像や生物学的態度が多彩である。適切な診断,治療の発展の基礎となることを目的とし,我々の施設で1983年~2007年の約24年間に手術された大唾液腺原発性腫瘍551例を収集・解析した。その内訳は,上皮性腫瘍537例(97.5%),血液・リンパ系腫瘍10例,間葉系腫瘍4例であった。上皮性腫瘍537例(耳下腺475例,顎下腺62例)中,悪性は123例(22.9%)であったが,悪性の占める割合は,耳下腺20%に対し,顎下腺は45.2%と高率であった。組織型別では多形腺腫285例(53.1%),ワルチン腫瘍104例(19.4%)の順に多く,悪性では,腺様嚢胞癌(25例),粘表皮癌(17例),多形腺腫由来癌(15例)が多かった。また,多形腺腫の癌化は5%(15/300例)程度と推定された。また,多形腺腫由来癌の悪性成分は多彩だったが,高悪性度である唾液腺導管癌も少なくなく,注意が必要である。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 34 (4), 548-551, 2008

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (16)*注記

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