進行舌癌に対する動注化学療法併用陽子線治療の経験

  • 高山 香名子
    財団法人脳神経疾患研究所附属南東北がん陽子線治療センター放射線治療科
  • 中村 達也
    財団法人脳神経疾患研究所附属南東北がん陽子線治療センター放射線治療科
  • 井口 治男
    財団法人脳神経疾患研究所附属南東北がん陽子線治療センター放射線治療科
  • 供田 卓也
    財団法人脳神経疾患研究所附属南東北がん陽子線治療センター放射線治療科
  • 高田 彰典
    財団法人脳神経疾患研究所附属南東北がん陽子線治療センター放射線治療科
  • 牧田 智誉子
    財団法人脳神経疾患研究所附属南東北がん陽子線治療センター放射線治療科
  • 塩見 美帆
    財団法人脳神経疾患研究所附属南東北がん陽子線治療センター放射線治療科
  • 不破 信和
    財団法人脳神経疾患研究所附属南東北がん陽子線治療センター放射線治療科

書誌事項

タイトル別名
  • Initial experience of proton therapy combined with selective intra-arterial infusion chemotherapy for locally advanced tongue cancer

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説明

2009年2月~2010年1月までの間に超選択的動注化学療法と陽子線治療の併用療法を施行した進行舌癌13例を対象とした。年齢の中央値は63歳,男女比は男/女=9/4,病理はすべて扁平上皮癌,病期はIII/IVA=2/11,頸部リンパ節はN0/N1/N2b/N2c=3/3/3/4であり,手術の場合,舌の全摘・亜全摘となる症例のみとした。治療の一次効果は13例中12例をcomplete response (CR),1例をpartial response(PR)と判定した。経過観察中にPRの1症例を加えた計4例に局所再発を認め,頸部リンパ節再発を計2例認めた。経過観察期間の中央値は12ヵ月と短いが,13例中8例は無病生存中であり,舌の局所制御率は69.2%(9/13)頸部リンパ節に関しては80.0%(8/10)であった。遠隔転移は1例もみられていない。再発症例の検討から,動注環流域確認の重要性が再確認された。経過観察期間は短いが,従来の放射線治療で問題とされてきた下顎骨・歯牙への晩期障害は認められておらず,晩期障害の軽減に有効である可能性が示唆された。また,通常の放射線治療では制御困難である頸部リンパ節の制御率向上の可能性が示唆された。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 37 (1), 36-41, 2011

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (14)*注記

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