重症心身障害のリハビリテーションとNIRS

  • 谷口 敬道
    国際医療福祉大学保健医療学部作業療法学科 国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科
  • 平野 大輔
    国 際医療福祉大学小田原保健医療学部作業療法学科 国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Severe motor and intellectual disabilities rehabilitation and NIRS
  • シンポジウム 重症心身障害のリハビリテーションとNIRS
  • シンポジウム ジュウショウ シンシン ショウガイ ノ リハビリテーション ト NIRS

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抄録

近赤外分光法(near-infraredspectroscopy ; NIRS)は、「自然な状態の被検者の大脳皮質を、非侵襲的にリアルタイム計測する技術」であり、装置の可搬性が高くベッドサイドやリハビリテーション室など測定場所を自由に選択できる。測定原理による限界はあるがリハビリテーション領域で必要な脳機能情報を得ることができる。特に歩行などの粗大運動を含む人間の作業・活動中の脳機能情報を得ることができる唯一の手法であることは明白であり、その使用目的、使用方法による誤用を避ける努力を使用者が心がけながらNIRS の積極的な活用が求められる。重症心身障害児・者の応答性は、力動感を伴うわずかな印象であることが多いことから、複数の療育者が確認し、その応答を事実として受け止めながら療育の手立てとする。しかし、この時、療育者は、自分の介入による対象児・者の応答性に自信が持てないこともある。NIRS は、日常的な療育場面における測定が可能であり、測定課題は、家族、療育者が確認したい課題をそのまま設定することが可能という特長がある。対象児・者の課題に対する応答性を脳血流動態として客観的な情報を得ることと、関与者である家族や療育者の観察結果を合わせることによりエビデンスの高い療育方法を選定する可能性が考えられる。本稿では、2 事例の測定結果を示しながら重症心身障害におけるNIRS の意義について述べる。

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