薬剤の血管外漏出性皮膚傷害に関する新規アセスメントシートを用いた研究

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a Sheet for Assessment of Injury Resulting from Extravasation of Medicinal Drugs
  • ヤクザイ ノ ケッカン ガイ ロウシュツセイ ヒフ ショウガイ ニ カンスル シンキ アセスメントシート オ モチイタ ケンキュウ

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抄録

本来血管に投与されるべき薬剤がなんらかの理由で血管外に漏出した場合,周囲の皮膚組織に傷害を引き起こすことがあるため迅速に対処する必要がある.先行研究は,過去に発生した血管外漏出 (EV) に関して想起した内容を検討する後ろ向き調査であり,状況や症状に不明確なものが多い.また,EV後の症状をアセスメントする際に統一した評価項目は使用されておらず,ケアの経過を追跡したものではない.そこで,本研究では,新たに考案したEVアセスメントシートを用い,臨床現場で起こっているEVに関するより詳細な実態を把握するとともに,その症状をアセスメントする際の指標となる項目や評価基準を検討することを目的に調査を実施した.その結果,EVの報告は51例で,漏出した薬剤の種類は15種類であった.発生時間は午前9~11時台,発見者は看護師,発生部位は両前腕内側がそれぞれ最も多かった.EV直後の症状として腫脹 (87.5%) の出現が最も多く,ついで発赤 (63.0%),圧痛 (53.2%),疼痛 (46.9%),硬結 (33.3%) であった.ケアの効果を評価するためにも,統一したアセスメントシートを用いた詳細な観察と記載が必要であると考える.

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