経鼻胃経管栄養法における新しい胃チューブ挿入技術としての頸部回旋法

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タイトル別名
  • A New Insertion Technique for the Naso-Gastric Tube Using Neck Rotation
  • ケイ ビ イケイカン エイヨウホウ ニ オケル アタラシイ イ チューブ ソウニュウ ギジュツ ト シテ ノ ケイブ カイセンホウ

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説明

経鼻胃経管栄養法の胃チューブはしばしばスムーズに挿入できず, 対象者に苦痛を与え業務に支障をきたすことがある. また太い胃チューブが咽頭で交差し喉頭蓋に当たっていると嚥下時に喉頭蓋の動きを障害しやすい. 筆者らは胃チューブ挿入時に頸部を回旋する (以下頸部回旋法) と挿入しやすいことを臨床的に経験している. 本研究は現行の方法 (顔は正面向き, 以下現行法) と頸部回旋法で胃チューブの挿入しやすさ等を比較検討したものである. 対象は当院で経鼻胃経管栄養法を実施している研究協力の得られた患者81人, 平均年齢76.8歳で, 胃チューブ挿入件数は156件であった. 現行法と頸部回旋法で, スムーズな挿入の可否, 胃チューブの咽頭での走行を検討した. その結果, スムーズな挿入は現行法61件中36件 (59%), 頸部回旋法では基本型で78件中71件 (91%) が成功し, 頸部回旋法のほうが有意に挿入しやすかった. 咽頭での交差について, 交差しなかったのは現行法62件中34件 (55%), 頸部回旋法78件中52件 (67%) で頸部回旋法は咽頭で交差しない確率が有意に高かった. 以上のことから頸部回旋法を新しい看護技術に取り入れることは有用であると思われた.

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