-
- 水上 勝義
- 筑波大学大学院人間総合科学研究科
書誌事項
- タイトル別名
-
- Psychiatric and behavioral symptoms at night-time in patients with dementia
- ニンチショウ カンジャ ノ ヤカン ニ ミラレル セイシン ショウジョウ オヨビ コウドウ ショウジョウ
この論文をさがす
説明
<p>【要旨】認知症患者の夜間にみられる代表的な精神症状や行動症状について概観した。認知症患者には高頻度に睡眠障害がみられ、アルツハイマー病(AD)の40-50%前後に不眠を認める。血管性認知症(VD)やレビー小体型認知症(DLB)はADよりさらに不眠の頻度が高い。またVDやDLBは睡眠呼吸障害や日中の傾眠も多く、これらをふくめて何らかの睡眠障害を呈する患者は8割以上に及ぶ。またDLBは前駆期からレム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder, RBD)が高率にみられ、この点はADとの鑑別ポイントの一つである。夕方から夜間にかけて、焦燥、攻撃性、妄想的言動、徘徊などが増悪することがあり夕暮れ症候群(sundown syndrome)と呼ばれる。夕暮れ症候群はせん妄との異同が問題になるが、せん妄が急性に発症し、比較的短期間に経過することが多いのに対して、夕暮れ症候群は、しばしば中長期的に続く。せん妄は認知症発症前にみられることがあるが、最近の報告によれば、ADよりDLBにせん妄の既往が有意に多い。</p><p>夜間の精神症状や行動症状に対しては、睡眠衛生指導をはじめとする非薬物的対応が基本である。光照射やメラトニンの効果についての報告があるが、一定の結論には至っていない。また認知症の睡眠障害に対する薬物療法の効果についてはエビデンスに乏しい。薬物療法の際は安全性を第一に考慮する。</p>
収録刊行物
-
- 認知神経科学
-
認知神経科学 17 (1), 12-17, 2015
認知神経科学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205227045248
-
- NII論文ID
- 130005180511
-
- NII書誌ID
- AA11408788
-
- ISSN
- 1884510X
- 13444298
-
- NDL書誌ID
- 026565505
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可