三つの異なる空間スケールにおけるSSR マーカーを用いた外生菌根菌ショウロの遺伝構造解析

  • 阿部 寛史
    鳥取大学農学部 現所属:東京大学大学院新領域創成科学研究科
  • 田淵 諒子
    鳥取大学農学部 現所属:一般財団法人日本きのこセンター菌蕈研究所
  • 奥田 康仁
    鳥取大学農学部 現所属:一般財団法人日本きのこセンター菌蕈研究所
  • 松本 晃幸
    鳥取大学農学部

書誌事項

タイトル別名
  • Genetic Structure Analyses of Ectomycorrhizal Fungus, <i>Rhizopogon roseolus</i> by SSR Markers in Three Spatial Scales
  • ミッツ ノ コトナル クウカン スケール ニ オケル SSR マーカー オ モチイタ ソト セイキン コンキン ショウロ ノ イデン コウゾウ カイセキ

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抄録

<p> SSRマーカーを用いて,集団内,地域,全国の空間スケールでショウロ(Rhizopogon roseolus)の遺伝解析を行った。集団内ではショウロのジェネットは小さく(平均0.6 m,≦1.6 m),頻繁な更新があること(1年で95.8%)から有性生殖に依存した繁殖戦略を持つことが示された。また,空間自己相関解析の結果,老熟して融解した子実体から埋土胞子化する近距離(0~4 m) において正の空間遺伝構造が検出された。次に,鳥取県内の7集団の遺伝的特徴を比較したところ,鳥取砂丘の5集団は高い遺伝的多様性を持ち,他の2集団との間に有意な遺伝的分化を示した(例32.2 kmでFST=0.234)。日本国内のサンプルについてSTRUCTURE解析を行ったところ,地理的位置に対応した四つの遺伝的クラスターに分類された。以上から,地域間の遺伝子流動が長期間にわたり制限されたことで,集団間の遺伝的分化が進行していると示唆された。分化した集団に特有の遺伝変異はショウロの育種において有用な遺伝資源となる可能性がある。</p>

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参考文献 (36)*注記

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