日本におけるRMZ(Riparian Management Zone)管理―FSC認証森林事例からの提言―

  • 坂本 朋美
    京都大学大学院農学研究科森林科学専攻
  • 芝 正己
    京都大学フィールド科学教育研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • The Management of Riparian Management Zones in Japan: Suggestions Based on the RMZ of the FSC-certified Forests.
  • ニホン ニ オケル RMZ Riparian Management Zone カンリ FSC ニンショウ シンリン ジレイ カラ ノ テイゲン
  • Suggestions Based on the RMZ of the FSC-certified Forests
  • —FSC認証森林事例からの提言—

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抄録

近年, 水域管理区域 (RMZ) の重要性が認識されつつあるが, わが国ではその具体的な管理手法は確立されていない。本研究では, FSC森林管理認証を取得した24森林におけるRMZの実態をアンケート調査し, 17森林から回答を得た。大半が認証を機にRMZの導入に着手し, その手法については認証機関からの助言や経験を参考にしていた。常時水流のある渓流沿いに幅10 m以下のRMZを設けている森林が多かったが, これは海外の事例に比べ著しく狭い。共通する管理方針は, 広葉樹林化など針葉樹人工林からの転換および残材の除去であった。RMZ形成後, 多くの森林が当初期待していた効果を得られたと回答したが, 半数近くが規模や管理法について改善が必要であると考えていた。適切なRMZのガイドラインを整備するためには, 一層のデータ蓄積と広範な議論が不可欠である。異なる森林の現状や管理目的に対応する柔軟性や現場での実効性の観点から, 森林施業規定 (FPC) という形でのガイドライン整備が有効な選択肢の一つとして考えられた。

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参考文献 (19)*注記

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