建設業界における森林認証製品普及の展望

  • 坂本 朋美
    京都大学大学院農学研究科森林科学専攻
  • 芝 正己
    琉球大学農学部附属亜熱帯フィールド科学教育研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Prospects for Spread of Certified Forest Products in the Construction Industry.
  • ケンセツ ギョウカイ ニ オケル シンリン ニンショウ セイヒン フキュウ ノ テンボウ

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抄録

日本は世界有数のCoC認証件数を誇っており, 現在その中心は紙製品業界である。本研究では, 紙製品業界に並ぶ木材消費部門である建設業界における, 森林認証製品をめぐる現状と展望について調査した。2009年6月に建設業者を対象にアンケートを送付し, 東京都, 大阪府, 愛知県に所在する非認証企業203社, および全国のCoC認証企業39社から回答を得た。非認証企業の間でも環境に配慮した木材調達の動きは拡大しつつあるがその対象は主にリサイクル材や間伐材であり, 森林認証や関連諸制度への認識も低かったことからこうした動きが森林認証製品の需要拡大にただちにつながる可能性は低いことが示唆された。非認証企業に比べ認証企業は, 環境に配慮した木材利用の重要性を高く評価していること, 木材調達の際に環境面を重視していること, 木材の選定に関して自社が強い決定権を有しており, 認証取得以前から木材のサプライチェーンをよく把握していたこと等が確認された。業界における認証製品の普及には, 情報提供システムの改善や供給体制の確立が急務である。

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参考文献 (1)*注記

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