風化花崗岩斜面で発生する表層崩壊の位置と形状を規制する要因

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タイトル別名
  • The Factors Determining the Position and the Form of Surface Failure in Weathered Granite Slope.
  • フウカ カコウガン シャメン デ ハッセイスル ヒョウソウ ホウカイ ノ イチ ト ケイジョウ オ キセイスル ヨウイン

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抄録

飽和するとコラプス沈下によって強度を失う脆弱層が多く存在する斜面で,崩壊現象を議論するために必要な降雨・土壌水分・斜面移動量の観測を行った。観測期間中に崩壊は生じなかったが,豪雨時にわずかな斜面移動が観測され,小さな亀裂も生じた。斜面移動は上部,中部,下部の順で開始し,上部は引張ひずみ,中部はほぼ平行移動,下部は圧縮ひずみとなるすべり変位が生じた。この移動時に斜面内で飽和帯が不均一に生じた。試験地には,複数の露岩帯が同一走向で分布し,既発生の15個の崩壊位置を区分している。この露岩帯が中間流の流下を遮り飽和帯の不均一な分布を生じさせていた。調査・観測結果を組み込んだ臨界すべり面解析結果は観測結果とよく一致し,すべり面は脆弱層の底面深度になり,すべり面頭部は露岩帯下方の実際に亀裂が生じた位置に計算された。以上より,本試験地では脆弱層の存在がすべり面深度を決定しており,露岩帯の存在が斜面上下方向の崩壊発生位置を規制していることがわかった。

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