特別養護老人ホーム利用者の作業療法活動参加とストレスの関係

  • 栗原 トヨ子
    新潟リハビリテーション大学大学院リハビリテーション研究科:文京学院大学保健医療技術学部作業療法学科
  • 澁井 実
    文京学院大学保健医療技術学部作業療法学科
  • 森谷 陽一
    特別養護老人ホームひのでホーム
  • 長崎 重信
    文京学院大学保健医療技術学部作業療法学科
  • 安永 雅美
    文京学院大学保健医療技術学部作業療法学科

書誌事項

タイトル別名
  • The relationship between participation in occupational therapy activities and stress in elderly in a special nursing home for the elderly

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抄録

我々は高齢障害者の作業療法(Occupational Therapy:以下OT)活動への参加とストレスとの関連について明らかにする目的で,客観的な指標として「唾液アミラーゼ活性モニター」を用いて,開始時と終了後に測定を試みた。その結果,参加者14人のうち,開始時よりも終了時の活性値が減少した人は10人(71.5%)で7割以上の人が減少していた。アミラーゼ活性値が減少した要因について挙げると,便秘薬服用者および編み物以外の作業種目をしている人が有意に減少していた。作業療法室および居室での主観的満足感を測る調査として用いたフェース・スケール得点は,アミラーゼ活性値の減少と負の相関を示した。編み物活動の人は他の活動の人よりも終了時のストレス値は減少しない傾向にあったが,編み物活動参加者の大半の人がOT室でのフェース・スケール点を「大変満足」と答えていた。したがって編み物をしている人たちにとって,適度な集中・緊張の持続は「難しい作業をこなしている」という満足感(充足感)につながっていると考えられた。

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