母親の「育児困難」の概念分析

  • 鈴木 浩子
    首都大学東京大学院人間健康科学研究科看護科学域

書誌事項

タイトル別名
  • Parenting difficulty of mothers : A concept analysis
  • ハハオヤ ノ 「 イクジ コンナン 」 ノ ガイネン ブンセキ

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抄録

本研究は,乳幼児をもつ母親が抱える「育児困難」の概念分析により,その構成要素と定義を明確にすることを目的とした。方法はRodgersの概念分析法を用い,概念の先行要件,属性,帰結を分析し概念を定義した。分析の結果,育児困難の属性は《育児に伴うストレスが解消できない状態》を表す【育児への困惑】【育児に対する苦痛】【育児に伴う負担と疲労】【家族・周囲との軋礫】4カテゴリーと,《不適切な養育状態》を表す【虐待および虐待に近接する行為】で示された。先行要件は12カテゴリーでそのうち7カテゴリーが母親の要因に関するものであった。帰結は3カテゴリーが示された。本研究の結果から「育児困難」の予防や軽減に向けた有効な支援は,虐待を防ぎ,子どもの発育・発達を守ることに結びつくことが示された。本概念は育児困難に悩む母親の早期スクリーニングや予防的支援に活用可能であることが示唆された。

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