X線CT画像を用いた有限要素解析による腰椎圧迫骨折のリスク予測

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  • Prediction of compression fracture risk of lumbar vertebra using a X-ray CT-based finite element method
  • Xセン CT ガゾウ オ モチイタ ユウゲン ヨウソ カイセキ ニ ヨル ヨウツイ アッパク コッセツ ノ リスク ヨソク

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抄録

本研究の目的は,X線CT画像を用いた有限要素解析(CT-based finite element method:CT-FEM)により,荷重や姿勢との関連から腰椎圧迫骨折のリスク予測を行うことである。骨粗鬆症が進行した腰椎(YAM=66%)と健常腰椎の3次元有限要素モデルに対して垂直荷重を与え,骨密度分布と骨変形・破壊領域の関連を調べた。ソリッド要素の破壊は,低密度領域で多く発生することが示された。荷重5,880Nを加えた解析の場合,骨粗鬆症が進行した腰椎における破壊ソリッド要素の割合は11%,健常腰椎では0.07%であった。CT-FEMを利用すれば,骨折が生じやすい領域や骨折に至る荷重の推定ができると考えられる。さらに前屈姿勢における荷物運搬作業を想定した力学モデルから脊椎にかかる荷重を算出し,前屈の角度と荷物の重さとの関わりで第5腰椎の骨折リスクを予測した。脊椎軸の角度が水平に近いほど,荷物が重いほど腰椎にかかる荷重は増加した。椎体骨折が生じやすい姿勢と荷物の重さとの関係を明らかにした。日常生活動作で腰椎にかかる荷重をCTFEMに適用することで,椎体骨折を回避するための安全な動作範囲を推定することができる。

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