タイ中央部における中年層女性の高血圧症とリスク要因
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- 水元 芳
- 大阪大学人間科学部
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- パンチャランティ ノングラック
- マヒドン大学 アセアン保健研究所
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- パラディパッセン マンダナ
- マヒドン大学公衆衛生学部
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- スミタシリ スティラック
- マヒドン大学栄養学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Hypertension and Its Risk Factors among Middle Aged Women in Central Thailand
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説明
本研究は、近年増加する高血圧症が取り組むべき課題として掲げられるタイにおいて、異なる社会経済的階層人口が混在するナコンパトム県プトモントン地区での高血圧症と生活習慣に起因するリスク因子の究明を試みたものである。40歳以上の女性224名を対象とした症例対象研究であり、データは質問票を用いた面接法で収集された。<br>調査対象地区において、高血圧と最も関係の深い因子は肥満であった(OR=2.05, 95% CI=1.62-3.63)。糖尿病もまた同地区における高血圧のリスク因子であり(OR=2.42、95% CI=1.08-5.43)、肥満者で糖尿病を有する対象者が高血圧症を併発するリスクは通常の約4倍も高くなることが認められた(OR=4.10, 95% CI=1.17-15.72)。タイでは、一般的に塩分の過剰摂取が近年の高血圧症増加の主要な原因と考えられている、しかし、本研究結果では、高血圧症の有無と塩分摂取量の間に有意な関係は認められず、今後この対象地域で高血圧症対策のプログラムを展開させる際には体重コントロールを重点的に行うことが効果的であり、生活習慣病予防対策を講じる際には地域の人々の生活習慣に係る特性を踏まえたプログラム作成が効果的であることを示唆している。
収録刊行物
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- 国際保健医療
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国際保健医療 21 (3), 161-168, 2006
日本国際保健医療学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205233395840
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- NII論文ID
- 130004471776
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- ISSN
- 24367559
- 09176543
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可