脂肪肝症例における肝線維化指標FIB4 Indexの経時的変化

  • 小林 伸行
    医療法人社団 相和会 相模原総合健診センター
  • 都築 隆
    医療法人社団 相和会 相模原総合健診センター
  • 萬造時 知子
    医療法人社団 相和会 相模原総合健診センター
  • 渡部 洋行
    医療法人社団 相和会 相模原総合健診センター
  • 竹澤 三代子
    北里大学医学部 消化器内科学
  • 土屋 敦
    医療法人社団 相和会 相模原総合健診センター
  • 土屋 章
    医療法人社団 相和会 相模原総合健診センター

書誌事項

タイトル別名
  • Time-dependent Changes in FIB4 Index in Patients with Fatty Liver Disease
  • シボウ カン ショウレイ ニ オケル カン センイカ シヒョウ FIB4 Index ノ ケイジテキ ヘンカ

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抄録

目的:脂肪肝の線維化の指標としてのFIB4 Indexの有効性を検討する.<br>方法:複数回受診の脂肪肝症例について,初回と最終回受診時のFIB4 Indexを算出した.線維化のcut off値を2.67とし,初回受診時2.67未満の12,059例を対象とした.初回から最終回受診までの期間,FIB4 Indexの変化を求めた.最終回受診時にFIB4 Indexが2.67以上へ上昇した症例について,性別,アルコール性/非アルコール性の脂肪肝種類別に比較した.FIB4 Index算定式の各因子(年齢,AST,ALT,血小板数)および超音波画像の変化を検討した.<br>結果:最終回にFIB4 Indexが2.67以上に上昇したものは161例(1.3%)であった.この上昇群では初回からFIB4 Indexが有意に高値であった.観察期間5年未満のFIB4 Index上昇群の頻度1.1%に対し,5年以上では1.6%と有意に多かった.男女間やアルコール性,非アルコール性によるFIB4 Index上昇群の頻度には差を認めなかった.算定式の4因子のうち,ASTの変動が最も大きくAST/ALT比も初回0.86から最終回1.18と上昇した.初回から最終回の超音波画像上の変化は,161例中3例に肝辺縁の鈍化を認めたのみであった.<br>結論:FIB4 Indexの変化に要する期間や,AST優位への変化から,線維化の予測指標としての可能性が示唆された.

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