喫煙と直接ビリルビン,間接ビリルビンの検討

書誌事項

タイトル別名
  • Association of Smoking and Direct or Indirect Bilirubin Concentrations
  • キツエン ト チョクセツ ビリルビン,カンセツ ビリルビン ノ ケントウ

この論文をさがす

抄録

目的:ビリルビンは,強力な抗酸化物質であり,動脈硬化予防に作用している可能性がある.我々もすでに総ビリルビンと喫煙,肥満に有意な関連を認めたことを報告しているが,直接・間接別に検討した研究はまだ少ない.喫煙と,直接ビリルビンと間接ビリルビンの関連を検討した.<br>方法:対象は平成22年に当クリニックを受診し,総ビリルビン値2.3mg/dL以上を除外した男性12,604名のうち,直接ビリルビンと間接ビリルビンを測定している8,955名(20~88歳,平均年齢48.1±10.1歳).直接ビリルビンと間接ビリルビンと,血圧・肝機能・脂質・血糖の相関,および喫煙の有無を従属変数としてロジスティック回帰分析で検討した.<br>結果:対象者8,955名のうち,喫煙者は2,570名.直接ビリルビンと間接ビリルビンとも,非喫煙者の方が有意に高値であった.相関係数は極く低値であるものの,直接ビリルビンとAST,ALT,γ-GTPで有意な正の相関を認めた.一方,間接ビリルビンとALT,γ-GTPでは有意な負の相関を認めた.回帰分析の結果では,喫煙と直接ビリルビンに有意な関連を認めなかったが,間接ビリルビンでは,オッズ比0.243と有意な関連を認めた.<br>結論:喫煙とビリルビンの関連で,間接ビリルビンにおいて,喫煙と有意な負の関連を認めた.今後,間接ビリルビンが喫煙の単独の指標になりうる可能性が示唆された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ