オナガは好適な営巣場所の有無をもとにツミの巣のまわりに営巣するかどうかを決定する?

書誌事項

タイトル別名
  • Azure-winged Magpies nest in association with Japanese Lesser Sparrowhawks where suitable nest sites are abundant

説明

オナガ Cyanpica cyana はツミ Accipiter gularis の防衛行動を利用して捕食を避けるために,ツミの巣のまわりに集まってきて繁殖するが,ツミが巣の直近しか防衛しなくなった2000年代からは,ツミの巣のまわりで繁殖することは少なくなった.しかし,一部のオナガはツミの巣のまわりで繁殖し続けている.なぜ,一部のオナガがツミの巣のまわりで繁殖しているのかを明らかにするため,営巣環境に注目して2005年から2011年にかけて東京中西部で調査を行なった.ツミの巣のまわりのオナガの巣は1990年代よりも葉に覆われた場所につくられるようになり,通常のオナガの営巣場所とかわらなかった.またツミの巣の周囲に好適な巣場所が多くある場所でのみ,ツミの巣のまわりで営巣した.これらの結果は,オナガは1990年代同様,ツミのできるだけそばで繁殖しようとしてはいるものの,当時のように自分たちの巣の隠蔽率を無視してまでツミの巣の近くを選択することはなく,営巣場所選択におけるツミの巣からの距離と隠蔽率の優先順位が逆転したことを示唆している.

収録刊行物

  • Bird Research

    Bird Research 8 (0), A19-A23, 2012

    特定非営利活動法人バードリサーチ

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205233798400
  • NII論文ID
    130002074903
  • DOI
    10.11211/birdresearch.8.a19
  • ISSN
    18801595
    18801587
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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