テストミールと採血不要の血糖モニタリングシステムを利用した耐糖能異常検出の試み

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タイトル別名
  • Screening for Glucose Intolerance Using Minimally Invasive Glucose Monitoring System after Test Meal Loading
  • テストミール ト サイケツ フヨウ ノ ケットウ モニタリング システム オ リヨウ シタ タイトウノウ イジョウ ケンシュツ ノ ココロミ

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抄録

目的:HbA1cや空腹時血糖では検出が困難である,初期の耐糖能異常を検出することを目的として,テストミール負荷と,採血なしで血糖曲線下面積(血糖AUC)を測定するシステムの有効性を検証した.<br>方法:糖尿病と診断されていない40歳以上の健診受診者50名を対象とし,皮膚表層に0.3mmの微細針アレイで微細孔を形成した後に,組織液採取用のゲルパッチを貼付し,ミールテストC(炭水化物75g)を負荷した.2時間後にゲルパッチを回収し,ゲル内のグルコース量から,2時間の血糖AUCを取得した.参照として,負荷前,負荷1,2時間後に,採血により血糖値を測定し,血糖AUCを算出した.併せてHbA1cやグリコアルブミン,尿中ミオイノシトール(MI)等を分析した.<br>結果:本システムにより測定した血糖AUCは,血糖値から算出した血糖AUCと高い相関を示した(R=0.85).検出された耐糖能異常者は軽度のみであったが,本システムで求めた血糖AUCによる耐糖能異常の判別精度は,感度91%,特異度81%であり,尿中MIと同等以上の性能を示した.また被験者へのアンケートから,本システムの低侵襲性が確認された.<br>結論:本システムにより,採血なしに簡便に,高い精度で耐糖能異常を検出することができた.食事負荷に併せた,本システムによる血糖AUC測定は,健診での初期の耐糖能異常の検出に有用であることが示唆された.

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