高齢者の日常生活場面における記憶の自己効力感測定尺度(Everyday Memory Self-Efficacy Seale : EMSES)の作成,および妥当性検証のための構成概念の分析

  • 井出 訓
    北海道医療大学看護福祉学部看護学科
  • 森 伸幸
    北海道医療大学心理科学部臨床心理学科

書誌事項

タイトル別名
  • Developing the Everyday Memory Self-Efficacy Scale (EMSES) and Testing Its Validity with Constructs Analysis

この論文をさがす

説明

本研究の目的は,高齢者の日常生活場面における記憶の自己効力感を測定する尺度(EMSES)の作成をおこない,ツールの構成概念を分析することから,EMSESの妥当性を検証しようとするものである.分析結果から,EMSESの質問項目には内的な一貫性があり,概念構造的にも妥当性のある質問紙であることが示された.また,メタ記憶や一般性自己効力感との関係では,全体的な記憶の自己効力感といった潜在変数が存在することがわかり,日常生活における記憶の自己効力感やメタ記憶に対する一般性自己効力感の直接的な影響も明らかとなった.自己効力感の向上は,認知機能を含むあらゆる行動に対する積極性を導き出すことが知られている.今回作成したEMSESは,高齢者の認知機能を記憶の側面から予測するツールとして,また看護介入等の効果測定尺度として応用される可能性が高いだろう.

収録刊行物

  • 老年看護学

    老年看護学 8 (2), 44-53, 2004

    一般社団法人 日本老年看護学会

参考文献 (38)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ