任意型健診におけるCA19-9 測定の意義について

  • 矢島 義昭
    黒沢病院付属ヘルスパーククリニック 内科
  • 後藤 和弘
    黒沢病院付属ヘルスパーククリニック 内科
  • 町田 優
    黒沢病院付属ヘルスパーククリニック 内科
  • 松本 健
    黒沢病院付属ヘルスパーククリニック 内科
  • 松山 哲
    黒沢病院付属ヘルスパーククリニック 内科
  • 山下 達矢
    黒沢病院付属ヘルスパーククリニック 内科
  • 石井 秀和
    黒沢病院付属ヘルスパーククリニック 内科
  • 田中 瑶子
    黒沢病院付属ヘルスパーククリニック 検査部
  • 佐藤 武敏
    黒沢病院付属ヘルスパーククリニック 検査部
  • 黒澤 功
    黒沢病院付属ヘルスパーククリニック 泌尿器科
  • 細内 康男
    済生会前橋病院 外科

書誌事項

タイトル別名
  • Significance of Measuring Serum Carbohydrate Antigen 19-9 (CA 19-9) in Opportunistic Screening
  • ニンイガタケンシン ニ オケル CA19-9 ソクテイ ノ イギ ニ ツイテ

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抄録

目的:当院では2010年度より人間ドックでCA19-9の測定を開始したが,今回は任意型健診におけるCA19-9測定の意義について報告する.<br>対象と方法:2010年度の当院人間ドック受診者は15,773例であった.全例にCA19-9測定と腹部超音波検査が施行され,CA19-9が異常値を呈した症例においては,必要に応じて各種画像検査を施行し,経過観察は3ヵ月毎とした.<br>結果:2010年度のCA19-9異常例は308例(2.0%)で,その90%は100 U/mL以下に分布した.当院外来で2次健診受診例は243例(78.9%)であった.検出された悪性腫瘍は10例(4.1%)で,内訳は膵がん4例,胆管細胞癌1例,肺がん2例,直腸がん1例,卵巣がん1例,腎がん1例であった.膵がんの内訳は体部がん2例,尾部がん2例であった(1.6%).悪性腫瘍例でのCA19-9は3ヵ月の経過観察期間にほぼ倍増する傾向にあった.子宮内膜症と診断された4例では200~700 U/m Lの範囲を乱高下した.その他の異常例は原因不明であったが,ほぼ横ばいに推移した.またCA19-9異常が発見の契機になった5例の悪性腫瘍(膵がん3例)において治癒切除が可能であった.<br>考察:健診へのCA19-9の導入により治癒切除が可能な膵がんが発見できた.3ヵ月毎のCA19-9の推移は良悪性の区別に有用である可能性がある.

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