10年連続人間ドック受診者における1秒量経年変化についての検討

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タイトル別名
  • Predictive Factors of Longitudinal Decline in One-second Forced Expiratory Volume of Subjects Given Lung Function Test Annually over Ten Years
  • 10ネン レンゾク ニンゲン ドック ジュシンシャ ニ オケル 1ビョウリョウ ケイネン ヘンカ ニ ツイテ ノ ケントウ

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抄録

目的:近年,本邦では慢性閉塞性肺疾患患者が増加しているが,その閉塞性肺障害出現の経過についての詳細はまだ明らかではない.今回我々は10年に亘る人間ドック継続受診者の1秒量の変化および各要因との関連を検討した.<br>方法:当センターの人間ドックを1997年から10年連続継続受診した1,336例を対象とした.全体の10年での1秒量の変化量(L)の平均を求めた.次に変化量と性別・1997年時の年齢・BMI・喫煙歴・1997年時の1秒量との相関を検討した.統計はノンパラメトリック解析を行い,p<0.05を有意とした.<br>結果:全体の1秒量の変化量は-0.38であった.性別では男性-0.40,女性-0.32となり,男性で有意に低下量が大であった(p=0.002).年齢では45歳未満-0.39,45歳以上55歳未満-0.39,55歳以上-0.36となり,55歳以上で有意に低下量が小であった.BMIでは20未満-0.36,20以上25未満-0.39,25以上-0.36となり,20以上25未満で低下量が有意に大であった(p<0.001).喫煙歴では非喫煙者-0.37,過去喫煙者-0.39,喫煙継続者-0.41となり,喫煙継続者で低下量が有意に大であった(p=0.041).1秒量では3.0未満-0.33,3.0以上3.5未満-0.39,3.5以上-0.46で,1秒量が大きいほど有意に低下量が大であった(p<0.001).<br>結論:当人間ドック受診者の10年に亘る1秒量変化の検討では喫煙継続例での1秒量低下が大きく,禁煙の重要性が示唆された.

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