人間ドック受診者における肥満と代謝異常の実態

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タイトル別名
  • Obesity and Metabolic Abnormalities in Subjects Undergoing Complete Medical Examinations
  • ニンゲン ドック ジュシンシャ ニ オケル ヒマン ト タイシャ イジョウ ノ ジッタイ

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抄録

目的:現在の特定保健指導の対象者は,まず腹囲とBMIの基準で選定されるため,肥満からはずれた非肥満者においては,それらが保有する他の心血管因子のリスクが十分に反映しきれていない.今回,特定保健指導を有効に進めていくために,肥満と代謝異常の実態を腹囲を中心に解析した.<br>対象と方法:平成20年度(平成20年4月~平成21年3月)人間ドック受診者で,男性7,136名および女性6,548名の計13,684名の各個人データのうちメタボリックシンドローム(MetS)および特定健診の基準となる,BMI,腹囲,血圧,血糖値,HbA1c値,血清脂質値(トリグリセリド,HDLコレステロール)を用いて解析した.<br>結果:男性の肥満の頻度が47.4%と女性20.7%に比し高頻度であった.さらに,腹囲とMetSの構成因子数は男女とも強い関係を示し,およそ腹囲3.5cm増加で1因子増えた.しかし,MetSの構成因子を3つ保有していても,男性31.5%,女性64.4%が支援の対象となる肥満から外れていた.<br>結論:心血管疾患の危険因子を減らすために,肥満,特に内臓脂肪過剰の予防の重要性を改めて確認した.しかし,特定保健指導における支援対象から,非肥満者の重複因子保有者の多くが見逃されていることが明らかになった.<br>

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