健診問診票の現病歴・既往歴の記入漏れ者の傾向と病歴聴取の留意点

  • 宮島 江里子
    独立行政法人地域医療機能推進機構 相模野病院 健康管理センター 北里大学 医学部衛生学
  • 角田 正史
    防衛医科大学校 衛生学公衆衛生学
  • 吉田 宗紀
    独立行政法人地域医療機能推進機構 相模野病院 健康管理センター
  • 五十嵐 敬子
    独立行政法人地域医療機能推進機構 相模野病院 健康管理センター
  • 押田 小百合
    独立行政法人地域医療機能推進機構 相模野病院 健康管理センター
  • 三枝 陽一
    独立行政法人地域医療機能推進機構 相模野病院 消化器内科
  • 美原 静香
    独立行政法人地域医療機能推進機構 相模野病院 消化器内科
  • 矢那瀨 信雄
    独立行政法人地域医療機能推進機構 相模野病院 健康管理センター
  • 大井田 正人
    独立行政法人地域医療機能推進機構 相模野病院 健康管理センター

書誌事項

タイトル別名
  • Tendencies among Examinees with Omissions to Fill Medical Histories in Health Check-up Interview Sheets and Points to Keep in Mind in History Interviews
  • ケンシン モンシンヒョウ ノ ゲン ビョウレキ ・ キオウレキ ノ キニュウ モレ シャ ノ ケイコウ ト ビョウレキ チョウシュ ノ リュウイテン

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説明

目的:健診における病歴情報は重要で,当センターでは診察時に医師が問診票を確認しているが,治療中なのに記入がない例が散見される.本研究では,問診票記入漏れの状況を調査し,病歴聴取の注意点を検討した.<br>方法:対象は,2016年1~2月と7月,2017年7月の計21日間に著者が診察した794人である.問診票記載または問診により高血圧,糖尿病,脂質異常症の3疾患に関する内服の「有」と,現病歴(マークシート式)の高血圧,糖尿病,脂質異常症,高尿酸血症,心疾患,脳血管疾患,がんの「現在治療中」に該当するが,1箇所でも問診票に記入漏れがあった者を集計した.性別や初診か否か等と記入の有無との関連をχ2検定で検討した.また,2016年7月以降に調査した504人については手術歴の記入漏れも集計した.<br>結果:対象疾患該当160人のうち,記入漏れがあったのは56人(35.0%)であった.服薬の有無の記入漏れは1人で,他はマークシート式の現病歴の記入漏れで,項目は脂質異常症(38人)が最も多く,次いで高血圧(17人)であった.統計的に初診の者が有意に少なかった.手術歴の記入漏れは106人で,虫垂炎(50人)が最も多かった.<br>結論:問診票には一定の記入漏れが存在することを考慮し,記入しやすい問診票や,専門職による追加問診が重要な役割を持つ.また,初診で聴取した情報を継続できるシステムが有効である.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

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