人間ドック逐年受診者における浸潤大腸がんの臨床的検討

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タイトル別名
  • Clinical Study of Invasive Colorectal Carcinoma in Individuals Undergoing an Annual Ningen Dock
  • ニンゲン ドック チクネン ジュシンシャ ニ オケル シンジュン ダイチョウ ガン ノ リンショウテキ ケントウ

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説明

目的:人間ドック逐年受診者から発見された浸潤大腸がんに関して,その臨床的背景を検討した.方法:対象は2002-2006年の過去5年間,人間ドック逐年受診者で前年便潜血反応陰性で今回便潜血反応陽性を契機に発見された浸潤大腸がん(病理学的な深達度がpSM1000μm以深)18例が対象.その内,早期がん8例,進行がん10例である.検討項目は腫瘍背景(存在部位,腫瘍径,肉眼的形態,深達度,病期)および患者背景(自覚症状の有無,がん家族歴,生活習慣病の保有状況,便提出回数)である.結果:腫瘍背景は病変部位では上行結腸が6例,S状結腸が6例で最も多く,肉眼的形態では,進行がんは2型のみであり,早期がんではIIaとIIcと表面拡大型の表面型のみであった.平均腫瘍径は27.4±10.5mmであり部位別の有意差は認めなかった.組織型は全例分化型であり,深達度は2例は奨膜外露出を認めたが,いずれもリンパ節転移はなく病期はstage IおよびIIのみであった.患者背景としては89%は自覚症状がなく,結腸がんの家族歴は4例のみであり,また生活習慣病保有者は88.9%に存在した。更に前年便潜血反応陰性時の検便提出回数が1回のみは28%にも及んだ.結論:部位は右側結腸に多く,表面型の形態をとる傾向にあった.また自覚症状は乏しい場合も多いため,少なくとも大腸がんの発見のためには便提出回数が二回の提出厳守が望まれた.

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参考文献 (17)*注記

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