生活習慣は本当にインスリン抵抗性に影響を与えるか

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タイトル別名
  • Dose Lifestyle Really Affect Insulin Resistance?
  • セイカツ シュウカン ワ ホントウ ニ インスリン テイコウセイ ニ エイキョウ オ アタエルカ

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抄録

目的:我々は以前,人間ドックのような健常者をおもな対象とする集団においては,空腹時インスリン値(fastingimmunoreactive insulin:F-IRI)が糖尿病因子よりも体重に依存すること,インスリン抵抗性のより簡便な指標として有効であることを報告した.さらに,今までの我々の検討の総括として第1回国際人間ドック会議にて,生活習慣病のリスクファクターのひとつとして,F-IRIを測定することの意義について発表させて頂いた.今回はさらに生活習慣そのものが本当にインスリン抵抗性に影響を与えるかどうかについて検討した.方法:人間ドックにおいて一般に測定しうる身体測定項目や採血項目に加えてより詳細な問診から,運動習慣,飲酒習慣,喫煙習慣などをさらに解析因子として検討を加えた.結果:以前の結果同様に body mass index(BMI)と空腹時血糖値がF-IRIに最も影響を与える因子となったが,運動習慣と飲酒習慣も独立した規定因子として採択された.運動習慣と飲酒習慣はインスリン抵抗性に良い影響を与える結果となったが,喫煙習慣はインスリン抵抗性には影響を与えなかった.結論:インスリン抵抗性に関しては,運動習慣および飲酒習慣は有益であり,喫煙は影響を与えないことが示唆された.運動の頻度や飲酒量や性差による違いなど,さらに今後の検討を必要とするが,健常な受診者への生活指導には,過度の運動指導や過度のアルコールの制限は健康な生活を保つ意味で必ずしも必要ではないことも考慮して指導するべきである.

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