紫外線照射により損傷したガラスの “熱的緩和電流” についての観察

書誌事項

タイトル別名
  • Some Observations on “Thermally Released Current” in Glasses damaged by Ultra-violet Irradiation Stress in Glass Caused by Ultra-violet Irradiation (Part 7)
  • シガイセン ショウシャ ニ ヨリ ソンショウ シタ ガラス ノ ネツテキ カンワ デンリュウ ニ ツイテ ノ カンサツ エイブン

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抄録

高圧水銀灯の外管として使われ, 紫外線照射により応力を発生したテレックス及びパイレックスガラスを加熱した時の熱的緩和電流の特性を観察した. 損傷したままのガラスでは, 熱的緩和電流が見られる温度域が250°ないし500℃の間にあり, また試料ごとに異なっていて再現性がなかった. 試料を洗うと, この温度域が450℃附近の狭い範囲に局限され, また内表面あるいは外表面を削り落しても同様であった. しかし内外表面をともに削り落すと, 緩和電流が顕著に減少した. 緩和電流は電極面積1cm2当り10-5-4クーロンの蓄積電荷に相当した. もしこれがガラス中の構成イオンの変移に原因するのであるならば, ガラスの構造ないし密度変化, 従って応力発生を説明するのに十分な量である. しかし, 電荷蓄積の原因として考えられるものがいくつかあり, 特に応力発生そのものが原因であるかも知れないので, この現象を完全に理解するには, さらに研究を必要とする.

収録刊行物

  • 窯業協會誌

    窯業協會誌 75 (860), 96-98, 1967

    公益社団法人 日本セラミックス協会

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