トラマドール塩酸塩によるセロトニン症候群に急性ジスキネジアを合併したがん疼痛患者の1症例

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  • A Patient with Cancer Pain Developing Serotonin Syndrome and Concomitant Acute Dyskinesia Associated with Tramadol Hydrochloride

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<p>患者は68歳男性で,左甲状腺腫瘍未分化転化の診断でレンバチニブを内服中,左鎖骨周囲の腫脹,疼痛がありトラマドールを内服開始した.2日後から下痢,発汗,見当識障害,ミオクローヌスなどが認められたためセロトニン症候群と診断された.さらに手足が動く,体幹をくねらせるなどのジスキネジアがみられた.トラマドールを内服中止したところ,半日でミオクローヌスとジスキネジアは軽快し,翌日には消失した.有害事象発現時における薬剤の時間的関連性から原因はトラマドールであると考えられた.トラマドールはセロトニン再取り込み阻害作用を有するため,セロトニン症候群を引き起こす可能性はあるものの,報告は少なく,ジスキネジア合併の報告はない.トラマドール使用時には,ジスキネジア症状を含む,セロトニン症候群の出現に留意が必要である.</p>

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