進行再発癌患者に対する化学療法のendpointの説明が終末期ケアの質に及ぼす影響

  • 中島 信久
    札幌社会保険総合病院外科(現,カレスアライアンス 天使病院外科)
  • 秦 温信
    札幌社会保険総合病院外科

書誌事項

タイトル別名
  • Influence of telling patients chemotherapeutic endpoints on quality of terminal care

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説明

【目的】初回治療, 再発, そして終末期という経過の中で, 進行再発に対して化学療法を行う際に, 病状やendpointの説明の有無がその後の化学療法の中止の判断や終末期ケアの質に及ぼす影響について検討した. 【方法】最近2年間に死亡した癌患者85例のうち, 経過中に化学療法を行った53例を対象とした. 病状説明ならびに明確なendpointの呈示の有無により3群に分けた(A群:いずれもあり, B群:病状説明のみ, C群:いずれもなし). 終末期ケアの質の検証にはSupport Team Assessment Schedule(以下, STAS)日本語版を用いた. 【成績】「良好」なギアチェンジはA群:88%, B群:41%, C群:0%で行われた(p<0.01). 身体症状や患者, 家族の不安は各群で差はなく, 病状認識とコミュニケーションは, 3群間に有意な差を認めた(p<0.001). 【結論】進行再発癌患者に対して化学療法を行う際に, 病状を説明し, 治療の endpointを明確にすることは, 適切なギアチェンジを可能とし, 終末期ケアの質の向上につながる可能性が示唆された.

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参考文献 (5)*注記

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