減圧目的の経皮内視鏡的胃瘻造設術によりQOL改善を認めた終末期膵がんの1例

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  • Duodenal obstruction in advanced pancreatic cancer treated by percutaneous endoscopic gastrostomy based on ethical considerations: A case report

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抄録

【目的】消化管閉塞をきたした膵がん患者に対し倫理的考察を行い, チームが共通の理解基盤のもとで治療方針を決定し, 技術的工夫を行った減圧目的の経皮内視鏡的胃瘻造設術と摂取可能な食品の検討で患者のQOLが改善したため報告する. 【症例】80歳代, 女性. 膵がん末期でbest supportive careにて自宅療養をしていたが, 十二指腸浸潤から通過障害をきたした. われわれは患者・家族の思いを確認し, 臨床倫理の4分割表を用いて倫理的考察を行ったうえで減圧PEGを施行した. 減圧PEGでは胃内容物のリークによる腹膜炎や胃瘻チューブ閉塞が問題となるが, 胃壁固定の継続や人工胃液を用いて摂取可能な食品を検討した. 形態は限られるが, 経口摂取再開と外出が可能となったことから, QOLが改善した. 【結論】倫理的考察には臨床倫理の4分割表を用いたカンファレンスが有効であり, 減圧PEGや摂取可能な食品の検討でQOL改善の可能性がある.

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