軽種馬の敷き料乾燥前の水洗処理がアンモニアガス発生に及ぼす影響

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  • Effects of Washing Used Equine Bedding Straw on Ammonia Gas Emission Prior to Drying

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本研究は軽種馬の敷き料を乾燥する際に発生するアンモニアガスに対して乾燥前の水洗処理が及ぼす影響を確認するために模式試験を行った。はじめに、ウマの尿と稲ワラを用いて調製した敷き料の水洗前と水洗後(敷き料の10倍水量)のアンモニアガス濃度を拡散式ドジチューブを用いて測定し、その値を所定の馬房規模に換算して臭気強度を算出した。アンモニアガス濃度を測定した結果において、水洗処理はアンモニアガス濃度の最高値を35.6%削減した。この削減は臭気強度においては0.5点の減点に相当した。アンモニアガス発生量に相当する窒素量の測定に先駆けて、尿から揮発する窒素を測定する装置を作製し、その能力について検討した。この装置を用いて水洗前後(敷き料の10倍水量)の敷き料から発生する窒素量を測定するとともに、未処理の稲ワラ、尿ならびに水洗前後の敷き料中の窒素量を測定した。試作装置を用いて測定した窒素平衡の結果において、水洗処理は敷き料から発生するアンモニアガスの60%を削減した。つぎに、敷き料に対して適切な水洗水量(敷き料の5倍、10倍、15倍)を水洗水中の窒素量を指標として検討した。水洗水の量が多くなるに伴い窒素濃度は低下したが、窒素量には有意差は認められず、その値は排水基準以下であった。したがって、敷き料の乾燥前の水洗処理(敷き料の5倍水量)は敷き料を再利用するうえでアンモニアガスの発生を抑制する有効な方法であると考えられた。しかし、今後この処理を実際に行うには、水洗水および敷き料の持続的な利用程度について検討することが必要と考えられた。

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