A Revision of the Japanese Species of the Genus Ectropis HUBNER, with Descriptions of Two New Genera and One New Subspecies (Lepidoptera: Geometridae)

書誌事項

タイトル別名
  • Revision of the Japanese Species of the

この論文をさがす

説明

従来Ectropis属として扱われていた日本産8種のエダシャクについて,成虫幼虫の形態に基づいて再検討した.属Ectropisは,模式種crepuscularia DENIS et SCHIFFERMULLERとその近縁種に限定して使用するべきであり,それらは成虫幼虫共に極めて等質的な形質をそなえている.日本産8種のうち次の4種が真のEctropisのメンバーであり,残りの4種は,2新属を含む4属にそれぞれ移行する措置をとった.Ectropis bistortata(GOEZE)フトフタオビエダシャク 針葉樹(スギ)に固有の一型(Form B)があり,多食性のForm Aと幼虫形態では容易に区別できるが,成虫では安定した区別点が見出されないため現段階では同一種として扱った.Ectropis obliqua PROUTウスジロエダシャク Ectropis excellens(BUTLER)オオトビスジエダシャク Ectropis aigneri PROUTウストビスジエダシヤク Paradarisa consonaria(HUBNER)シナトビスジエダシャク 雌雄交尾器の形態が,属の模式種P.comparataroa WALKERによく似ている.本属については最近筆者(1980,蛾類通信,(106):85-89)が別に報告した. Parectropis SATO(新属):模式種はGeometra extersaria HUBNER. P.extersaria japonica SATOシロモンキエダシャク 従来日本の個体群は,亜種obscurior STAUDINGER(アムール・ウスリー・朝鮮)として扱われていたが,原名亜種(ヨーロッパ)や亜種grisescens DJAKONOV(シベリア)を含めての再検討の結果,外観はもとより雌雄交尾器の形態にも差異が認められたので別亜種として記載した.Protalcis SATO(新属):模式種は次種.P.concinnata (WILEMAN)トギレエダシャク 雌の翅は痕跡的.交尾器や幼虫の形態は,Alcis属との関連を示唆しているが,系統関係ははっきりしない.Abaciscus albipunctata(INOUE)シロテントビスジエダシャク 交尾器形態は属の模式種A.tristis BUTLERに類似している.成虫幼虫共に極めて特異な形質をそなえており,本属の分類上の位置は必ずしも明白ではない.本種はおそらくブナに固有.なお以上8種の幼虫については,筆者の最近の報告も参照されたい(1979a,Tinea,10:253-266;1979b,越佐昆虫同好会々報,(50):67-74).

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 31 (1-2), 29-53, 1980

    日本鱗翅学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ