Synanthedon tenue(Butler)ヒメコスカシバ(鱗翅目,スカシバガ科)の新食草

  • 有田 豊
    Zoological Laboratory, Faculty of Agriculture, Meijo University
  • GORBUNOV Oleg G.
    Institute for the Problems of Ecology and Evolution, Russian Academy of Sciences

書誌事項

タイトル別名
  • A new host plant for Synanthedon tenue (Butler) in Japan (Lepidoptera, Sesiidae)
  • Synanthedon tenue(Butler)ヒメコスカシバ(鱗翅目,スカシバガ科)の新食草〔英文〕
  • Synanthedon tenue Butler ヒメコスカシバ リンシモク

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抄録

Synanthedon tenue(Butler)ヒメコスカシバは日本から記載された種であるが,韓国や旧満州(中国東北部)さらに沿海州(ロシア極東部)(末記録)からも記録されている.このヒメコスカシバの幼虫は栽培しているカキノキの樹皮下にもぐり加害することが知られている.またこれ以外に,ヤナギの一種,クリ,カシワからも記録がある.著者らは,1994年7月31日に長野県上村のしらびそ高原でPennisetia fixseni(Leech,1889)セスジスカシバの調査中,その食草であるクマイチゴを採集し飼育していたところ,9月6日と8日にヒメコスカシバ2♂が羽化した(Figs 4-5).これらの幼虫はクマイチゴの地上5cm位のところの樹皮下のところにいたもので,そこのところから羽化してきた(Fig.3).この2♂はカキノキから羽化したものと色彩斑紋の差異はなく(Figs 1-2),また♂のゲニタリアも一致した(Fig.6).ヒメコスカシバは数科の植物を食する多食性のスカシバガであることが明らかとなった.

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 46 (3), 137-140, 1995

    日本鱗翅学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (2)*注記

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