九州より見いだされたモモブトスカシバ属の新種(鱗翅目,スカシバガ科)

  • 有田 豊
    Zoological Laboratory, Faculty of Agriculture, Meijo University
  • GORBUNOV Oleg G.
    Institute for Problems of Ecology and Evolution, Russian Academy of Sciences

書誌事項

タイトル別名
  • Description of a new Melittia clearwing moth (Lepidoptera, Sesiidae) from Kyushu, Japan
  • Description of a new Melittia clearwing

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抄録

台湾から記載され最近奄美大島から発見されたタイワンオオモモブトスカシバMelittia formosana Matsumura,1911に酷似するスカシバガの1♀が永井厖氏によって,1993年7月22日に宮崎県小林市出の山公園で採集された.その標本の送付を受けた有田は1995年と1996年に同所で調査をしたところ,多くの個体を追加採集することが出来た.これらを台湾産と奄美大島産の個体群と比較したところ新種と認められたのでMelittia nagaii Arita&Gorbunov sp.nov.として記載した.この新種は,雄では,タイワンオオモモブトスカシバの奄美大島産の個体群とは,中室外方透明紋が短く明らかに区別がつくが,台湾産の個体群とは非常に良く似ている.雌では,この中室外方透明紋は奄美大島の個体群では4紋で長いのに対してこの新種では3紋で短い.台湾産の雌は比較標本がない.本新種の雄交尾器はバルバは幅広く,雌交尾器ではシグナムの上半分が短く,下半分はより幅広いことで区別される.和名は,永井厖氏の提案もありルリオオモモブトスカシバとしたい.

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 48 (1), 33-38, 1997

    日本鱗翅学会

参考文献 (1)*注記

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