中国産Mythimna属(鱗翅目,ヤガ科)3新種の記載

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タイトル別名
  • Three new species of the genus Mythimna (Lepidoptera, Noctuidae) from China
  • Three new species of the genus Mythimna

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説明

Draudt(1950)はHoneが中国より採集した標本を用い,多くのヤガの新種を記載した.彼の属の扱いはHampson(1905)とほぼ同じで,キヨトウは主にEriopyga,Cirphis,Leucaniaの3属のもとに扱われ,合計で43種(18新種3新型を含む)が記録された.これ以外に,Polia属の2種とHyssia属の1種はキヨトウに含まれ,またLeucania monimalisはキヨトウではなくPerigrapha属の一員であることが後に判明した.一方,日本と台湾のキヨトウはYoshimatsu(1994)により1属に統合することが提唱された.ここではボンのMAK博物館所蔵のHoneコレクションにさらに3新種を発見したので記載した.どの種も現時点では中国雲南省のLi-kiangからのみ知られる.Mythimna(Hyphilare)glaciata Yoshimatsu,sp.nov.(Figs 1,2,5)日本に分布するマダラキヨトウに類似し,前翅の斑紋はマダラキヨトウ同様変異が大きいようである.今回は2個体を使ったのみなので斑紋の変異幅を知るにはさらなる標本の調査が必要である.Mythimna(Mythimna)naumanni Yoshimatsu&Hreblay,sp.nov.(Figs 3,6,7)本種の雄交尾器は日本産のカバフクロテンキヨトウとクロテンキヨトウに似るが,前翅の色調で容易に区別できる.雄交尾器では本種のcucullusはカバフグロテンキヨトウ,クロテンキヨトウよりもやや小さく,coronal spineの数も少ない.Mythimna(Mythimna)ensata Yoshimatsu,sp.nov.(Figs 4,8)アジア産のM.(M.)lineatipes(Moore),M.(M.)nainica(Moore),M.(M.)percisa(Moore),M.(M.)lucida Yoshimatsu&Hreblayに外見は似ているが,雄交尾器形態で簡単に区別できる.

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 49 (1), 9-15, 1998

    日本鱗翅学会

参考文献 (4)*注記

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