ヤマハギシロハモグリ(新称)(ハモグリガ科)の日本からの記録

書誌事項

タイトル別名
  • A new record of Microthauma lespedezella Seksjaeva (Lepidoptera, Lyonetiidae) from Japan
  • new record of Microthauma lespedezella Seksjaeva Lepidoptera Lyonetiidae from Japan

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説明

ヤマハギシロハモグリMicrothauma lespedezellaは,Seksjaeva (1990)によってロシア沿海州から記載された.その後本種の分布記録は追加されていなかったが,北海道の勇払郡早来町,長野県の安曇村(現松本市安曇地区)や松本市周辺で本種の分布を確認したので報告する.半種は,ダイズギンモンハモグリM. glycinella Kurokoに近縁であるが,やや大きく,前翅後縁中央の斜条の傾きもやや強い.♂交尾器ではvalvaやaedeagusの形状などで識別できる.さらに原記載では示されていなかった♀交尾器ではapophysis anteriorisがより細長くapophysis posteriorisが短い,腹部第7節背面に一対の硬化部が発達しないなどの違いがみられた.また,本種の寄主植物としては,原記載で報告されたヤマハギのほかに,マルバハギを利用することがわかった.本種は,幼虫が葉を横断して線状に潜った後に葉先に不規則な斑状潜孔を作る,蛹の頭頂部に特徴的な突起をもつ,成虫の♂交尾器aedeagusの基部は硬化し平たく拡張するなど,ダイズギンモンハモグリとの共通点が見られる.属の複式種に関する情報が乏しく,今後の検討課題であるが,これらはMicrothauma属の共有派生形質の可能性があると考えられた.また,ダイズギンモンハモグリは,ダイズ,クズを寄生植物とし,九州,沖縄から記録があったが,本州(東京:皇居,静岡,大阪,山口)の記録を追加した.

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 57 (3), 156-162, 2006

    日本鱗翅学会

参考文献 (6)*注記

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