西イリアンに侵入したオナシアゲハ

書誌事項

タイトル別名
  • Papilio demoleus L. (Lepidoptera, Papilionidae) in West Irian

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説明

西イリアン在住のHenk van Mastrigt氏より,1997年10月同地で初めてオナシアゲハが発見された旨の連絡を受け,同年11月に採集された2♂の提供を受けた.この蝶は引き続き1998年も同地に発生し,Sentaniでは7月には毎日見られるようになったという.西イリアンに発生した集団の亜種は既知のいずれにも合致しないが,SumbawaやTimor産に大変よく似ている.ただし,Jordan(1909:48-49)によれば,これら両島も本来オナシアゲハの分布域には属さず,同じく移住者である.おそらく,これらの集団はいくつかの亜種の混じり合ったものと思われる.西イリアンでは甘橘類も豊富で,さらに分布を拡大すると予測されるが,東南アジアやニューギニアでは,人の手を借りることなく急速にその分布域を広げるものと思われる.

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 50 (2), 82-84, 1999

    日本鱗翅学会

参考文献 (3)*注記

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