赤城山(群馬県)におけるヒメギフチョウの保護

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タイトル別名
  • Conservation of the declining Luehdorfia puziloi inexpecta Sheljuzhko (Lepidoptera, Papilionidae) at Mt Akagi in Gunma Prefecture, Japan
  • Conservation of the diclining Luehdorfia puziloi inexpecta Sheljuzhko (Lepidoptera, Papilionidae) at Mt Akagi in Gunma Prefecture, Japan

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抄録

1940年,群馬県の赤城山でヒメギフチョウの生息が確認されて以来,生息環境の変化は著しく,その生息数は減少の一途をたどっている.今回,赤城山における土地利用の変遷を検討し,その衰退の大きな要因は落葉広葉樹林の針葉樹林および畑地への改変にあり,林業従事者の減少が林の荒廃にさらに拍車をかけていることが明確になった.さらなる生息数の減少をくい止めるために産卵食草への網掛けを行い,良好な結果を得ることができた.この方法は短期的な保護策として,一時的な発生数の変動を抑えるのに効果がある.しかし,永続的な保護のためには発生地域の整備,拡大が不可欠である.赤城山においては近隣の高校生が食草の無菌的な増殖を行い,小学生がその苗を発生地に植え付けている.父兄による下草刈りも開始された.このような実践的な保護を推進するためには研究者,行政,地域住民の密接な連帯が不可欠である.それに科学的な根拠を持った方向性を示すのは研究者の責任である.

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 52 (2), 91-100, 2001

    日本鱗翅学会

参考文献 (23)*注記

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