米国に侵入した侵入雑草チガヤの生物的防除素材としての可能性を持つチビウスキヨトウ

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タイトル別名
  • Acrapex azumai Sugi (Lepidoptera, Noctuidae) as a possible biological control agent of the invasive weed Imperata cylindrica (L.) Beauv. (Poaceae) in the United States

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抄録

米国東南部で大きな被害を出している侵入雑草チガヤImperata cylindrica(L.)(イネ科)の有効な導入天敵を探索するため,日本においてチガヤの食植性昆虫の探索を行った.2003年7月,福岡県糸島市においてチガヤ茎基部に潜む鱗翅目幼虫を3個体発見した.採集した2個体の幼虫を室内で飼育し,2個体の成虫を得た.成虫は外部形態および交尾器からチビウスキヨトウAcrapex azumai Sugi(鱗翅目:ヤガ科)と同定した.チビウスキヨトウの幼虫の寄主植物はこれまで報告されていないが,本研究で本種の寄主が初めて明らかになった.また,同時に採集した幼虫のミトコンドリアCOI遺伝子をGenBankに登録されているAcrapex属の他種と比較したところ,同属の他種と極めて類似性が高いことがわかった.チビウスキヨトウは,米国東南部のチヤガの生物的防除に利用する導入天敵として利用できる可能性がある.

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 65 (1), 30-35, 2014

    日本鱗翅学会

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