血管免疫芽球性T細胞リンパ腫に伴う貧血管理の経験

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  • EXPERIENCE OF MANAGING ANEMIA IN ANGIOIMMUNOBLASTIC T-CELL LYMPHOMA

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抄録

<p>[緒言]血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(angioimmunoblastic T-cell lymphoma:AITL)の2症例につき輸血対応の特殊性を報告する.[症例1]86歳男性.腹腔内リンパ節腫脹を指摘され,リンパ節生検でAITLと診断した.ヘモグロビン(Hb)8.9g/dl,直接抗グロブリン試験(DAT)陽性,間接抗グロブリン試験(IAT)陽性,抗体同定検査では汎凝集パターンであった.内服化学療法及びステロイド投与が施行され,奏効中はIATの陰性化を認め無輸血で経過した.[症例2]75歳男性.皮疹・発熱を主訴に入院しAITLと診断したが,骨髄に腫瘍細胞の浸潤を認めた.Hb 8.5g/dl,DAT陽性,IAT陽性,抗体同定検査では汎凝集パターンであった.点滴化学療法4コースが施行され,IATは一過性に陰性化した.経過中顕性出血は無かったが,赤血球濃厚液34単位,濃厚血小板80単位の輸血を必要とした.[考察]症例1は治療奏効期間の輸血非依存性が保たれ,症例2は血球減少の原因として骨髄造血機能低下と血球破壊亢進の関与が考えられた.活動性AITL患者では輸血効果の得にくい場合がある.</p>

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参考文献 (16)*注記

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